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zoom RSS 【路地裏で魔族が笑う時】

<<   作成日時 : 2009/04/03 22:03   >>

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 夜中の1時を回った頃。
 窓から見える真っ暗な空には、細い細い三日月が笑うように浮かんでいる。
 そろそろ寝るかとゼルガディスが読んでいた魔道書に栞を挟み、灯りを消そうとしたその時。

 ―――コンコンッ

 控えめなノックがし、扉の向こうからか細い声が聞こえてくる。
「あの、アメリアです。ゼルガディスさん起きてますか……?」
「アメリア?」
 こんな夜更けに何かあったのだろうか。
「空いているから入れ」
 訝しげな顔をしつつもとりあえず部屋の中に招き入れる。
「夜遅くにごめんなさい。でも、ゼルガディスさんなら起きてるかなって思いまして」
 申し訳なさそうな顔をして部屋に入ってくるアメリアは、何故かぎゅっと枕を抱いていた。
「……どうした?」
 不審に思い訊ねるが、アメリアはゼルガディスのベッドの端にちょこんと座り、何かに怯えるようにびくびくとして部屋の様子を伺っている。

 ―――その時、風でも吹いたのか窓ガラスがガタガタっと音を立てて揺れた。

「きゃあっ!」
 その音に異常なほど驚いたアメリアが、抱いていた枕を放りだしてゼルガディスにしがみつく。
 余程怖いのか、小刻みに小さなその身体が震えている。
「ただの風だ。安心しろ」
 アメリアに抱きつかれて――ということは、無論その年の割に豊かな胸が密着するわけで――内心もの凄く嬉しいゼルガディスではあるが、ムッツリと名高い彼の事。そんなことはおくびにも出さず、努めて冷静に言った。
「あ…はい」
 アメリアがほっとして息を吐く。
 腕が緩んだのでてっきり放れると思われたアメリアだが、しがみつく力を緩めただけで依然としてゼルガディスに抱き着いたままだ。
 真夜中。薄暗い部屋に憎からず想い合った男女が二人っきり。しかもベッドの上で密着。

 ――コレは何かの拷問か………?

 こちらは揺らぎそうになる理性にしがみつきながら、ゼルガディスはとにかく今の状況からの脱出を試みる。
「……怖い夢でも見たのか?」
 お子様なアメリアの事だ。きっと夢で魘されて起きてみたら、隣のベッドで寝ているハズのリナが盗賊いぢめに出掛けて部屋におらず、心細くなったとかそういう事だろう。
 空になったガウリイのベッドを見つめてそう見当を付けた。
 ガウリイは1時間ほど前に窓から飛び出したリナをこっそり追いかけていったまま、まだ戻ってきていない。
「夢というか……そのですね……」
 アメリアにしては珍しく、言い難そうに言葉を濁す。
「昼間、久しぶりにフィリアさんに会ったじゃないですか。その時に聞いた話なんですけれど―――」


 曰く、この街では夜更けに一人で路地裏を歩いていると、生ゴミ魔族に出会うらしい。
 曰く、その生ゴミ魔族というのはなんでも、ゴミバケツの腹にゴ○ブリによく似た足が6本生えていて、カサカサ動くらしい。
 曰く、そのゴミバケツの中身は黒い錐で、入りきらずに口の部分から尖った先端がいくつも飛び出ているらしい。
 曰く、その生ゴミ魔族はゴミバケツの底から生えたおかっぱの髪の毛で移動するらしい。そのうえ、物凄いスピードで走るらしい。
 曰く、その生ゴミ魔族はゴミバケツなだけあって、とっっっても臭いらしい。
 曰く、捕まると大層恐ろしい目に遭うらしい―――


「という、都市伝説があるそうなんですよぉう! ここ、路地裏にある宿屋さんじゃないですか。だから私、怖くって怖くって……なのに、リナさんは盗賊いぢめに行っちゃうし」
 相当その話が怖かったようで、最後の方は泣きべそを掻きながら話すアメリア。
 しかし。

 ――ソレ、本当に怖いのか……?

 確かに、ビジュアルにしてみればなかなかエライ事になりそうだが、心なしか某おかっぱ魔族を彷彿とさせるような気がするのは彼の気のせいであろうか。
 だいたい、大層恐ろしい目って、どんな目だ。
 心の中で冷めたツッコミを入れるゼルガディス。
「だから……ゼルガディスさん、今夜は一緒に寝ても良いですか?」
 うるうると縋るような瞳でアメリアがゼルガディスを見上げる。
 枕を持参していたのはこの為だったようだ。
「うぐっ」
 震える長い睫が涙に濡れて酷く蠱惑的だ。そんなアメリアのお願いを、無下に断れるようなゼルガディスではない。ではないが、「はい喜んで」とこのオイシイ状況を堪能できるほどの度胸も彼にはなく。
 おまけにアメリアはこちらを信頼しきって、まさか彼がそんな邪な思いを巡らせているだなんて考えもしない。
 となれば、好いた女と一緒の布団で――しかも相手は恐怖心からその素晴らしく魅惑的な身体をすり寄せてくる――まんじりと一睡も出来ずにただひたすら劣情に耐えに耐えて夜明けを待つ他ないワケで。

 ――大層恐ろしい目っていうのは、こういう目かな……

 すっかり安心して穏やかな寝息を立てるアメリアの隣で、生殺し状態のゼルガディスはそんな事を思ったとか。



  ――終劇――



================================

それはまだ私が妊娠中で実家にいた時のこと。
「空のたび」の夢見さんちの絵チャにお邪魔した時。
その時にKさんが描かれた生ゴミゼロスがあまりにも素敵すぎて参加者皆で大盛り上がり。
そこから生まれたお話しです。


……って、半年くらい前の話でスミマセン(汗)
ずっと、UP出来なかったのは、書き上げて夢見さんに送りつけましたらば、素敵イラストを頂いたのですよvv
出産して落ち着いた頃にUPしようとしたら、そのイラストを何処に保存したのか分からなくなると言う……(大・馬・鹿・!!
実家にいたので、実家のパソコンにしっかり保存されてました(恥)
や、誰にも見られてはいないけどね!
自分の大ボケ加減に乾杯☆
夢見さん、ありがとうございました〜〜〜vv(冒頭に貼り付けちゃった!) 
     

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